仕事の予感の話

以前、会社から赤い龍のような雲を見て「中国みたい」と思った。

その次の日、ランチを買って会社に戻ると大騒ぎをしていて「上海の現場に送った備品が損失していたので、今日中に現地に届けなければ」ということらしい。

たまたまその日、現場や提出や打ち合わせが無かった私は名乗りを上げ、急遽海外出張へ。家にパスポートと出張セット取りに行き、備品をピックし、成田へ。その間に同僚は飛行機とホテルを手配、メールで私にパス。成田へ着くと放送で呼び出され、速攻で搭乗手続き。現地空港でスタッフと落ち合い、そのまま車で現場へ。設置無事完了、24時近くだったが現地スタッフがご飯に行こうというのでついて行く。「危ないから日本語を喋らないで」と言われ、現地の人のご飯屋さんへ、団地の鉄柵を突っ切って行く。400円くらいの麺と青島ビールを奢って頂き、やっとホテルへ。

翌日、中々繋がらないホテルのWi-Fiで仕事の処理をし、意地で上海を散歩し、タクシーをつかまえ空港へ行こうとするが、英語が通じない、メモに漢字で空港名を書いても通じない（東の字が日本と違ったらしい）、なんとか伝えて無事帰還。

一人で海外へ行くことは何度か経験があったが、当日決定や下調べゼロで飛び発ったのは初めて。帰りの飛行機で無事しのげたことに安堵し、パスポートの中国のスタンプを見てあの赤い龍の雲に意味を感じた。