1人の女性に聞いた事を「女性の意見」全てとして扱うなよ

私はフェミニストというわけではないし、昨今の事情もわかるが、前々からの怒りが限界に来たので書く。

「女性の意見」として「1人の女性」に訊いた発言を、「女性全ての考え」として扱って、「物分かりの良い俺」のつもりにならないように。

過去の歴史は言論も美術も仕事も、男性社会で女性の意見や意志などほぼ無かったが、女性を大切にしようというムーブメントが少し前にあり、その形骸化された残骸がまだあることにウンザリする。

各カルチャー論壇でお飾り的に置かれるカワイコちゃん。女性の意見を訊こう、と形式的に1人の女性に質問を振り、その発言を男達で持て囃して、聞いた気になって内輪ノリ。

業界政治的にそれを利用しようとして、「女の子は皆○○が好きです〜」「女性は○○が〜」と、求められる発言やキャラを出す女性達もいた。現在でも進行中だけど、その女性が女性代表みたいに言う事のほぼ全て、共感も同意もできない。私は矢沢あ○もセーラー○ーンも他色々、合わない。私は1人の女性だが、そういう発言内にはいない。わかった風に思い上がるな、と両者に憤りを感じる。「○○が好きな女子は多いー」とか「女性は△△と受け取ることが多いかも」なら参考意見として機能すると思うが。女性皆、というのは相当な弾圧だ。

私はガンダムや恐竜やロックやカッコいいことが好きで1人行動が基本だし、仕事は沢山の男性達に指示を出す指揮官みたいなもので、漢らしさという概念は並の男性方より持っている方だ。かといって女性性を否定しているわけでもなく、ロングヘアやワンピースや女性的デザインで好きなものや諸々もある。

仕事柄、男尊女卑的な業界なので、男性の数倍の努力で認められて提案出来る様、なんとか頑張ってきたが、好きな筈の文化界隈で「女性の意見」という言葉だけはダメだ。

平均的ラインを知りたいなら、仕事柄マーケティング知識で伝えられるが、自分が寛容な男であると酔いたいが為にそういう振りをして、結局何もきいていない。

◆◆さん（個人である1人の女性）の意見、を訊けよ。男性同士なら、論理派の○○さんと熱血系の□□さんと面白系の▽△さんと、という感じで考えや感性の違いを理解しているのに、なんで女性は1人呼べば「女性というカテゴリ」をカバーした気になるんだ。

やっと現実的に多様性の時代なのに、ダサい。

でもまあ私達世代からは、そんな残骸も抜けていくだろう。

（C）夜の魚