神話について

ギリシア神話が好きだった。人間のあらゆる側面を描いた神々の話は、人間の心を捉え続け、知恵として引き継がれてきたのだと思う。西洋絵画や映画でも、神話を知っているだけで物語として読めるし、やがてエジプト神話やギルガメッシュ叙事詩、ネイティブアメリカンの神話やアボリジニのドリームタイム、日本神話にも惹かれていった。


広告・プロモーションの企画の仕事をするようになり、多数の人間の心を動かす仕組みを勉強していく中でシナリオのメソッドでJ・キャンベルを知った。いわゆる世界中の神話のパターンを研究し、それをハリウッド映画のシナリオに生かしたのだ。漠然と解っていたが、明文化されるのは気持ち良いものだ。改めて“神話が人間と共にある”こと、現代のコンテンツも神話を宿しながら作られていることを感じた。


『比較神話学』の書籍を手に入れ、改めて世界中の神話を楽しんでいる。共通項が多い創世神話や大洪水の話も良いが、個人的に心に刺さる共通の神話も見つけた。


それはカラスが神の使い・知恵の象徴であること。

私の名前には「雅」の字が入っているが、字の成り立ちを調べると「カラス」の意味があった。“優雅、みやび”とは、“大雅(中国の楽章、詩)”“宮廷雅楽”の単語から派生した意味で、文字の成り立ちとしては「牙=ガーという音」「隹=スイ、ふるとり、鳥の意味」の組み合わせでカラスを表したらしい。「雅」=「鴉」。神話がきっかけで字の成り立ちを知ったが、自分の名がカラスだったとは。道理で子供の頃からやたらカラスが寄ってきたり、カラスがいると気になったものだ。


神話に思いを馳せるとき、自分の何かが響く気がする。これからも楽しみ続けたいものである。

Image by :NASA Image and Video Library

不思議と夢の話~夜の魚~

心理学、精神世界、日常の中の不思議なこと。 わかり合える仲間や、どこかでひっそりと自分の感覚や内宇宙を考えている人へ向けて。 WEB↓ http://atelier-clos.jimdofree.com